せいちゅうけいのうほう

正中頸嚢胞

別名
甲状舌管嚢胞
最終更新日:
2018年09月25日
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2018/09/25
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概要

正中頸嚢胞とは、首の正中部にできる袋状の腫瘤です。胎児期に甲状腺が形成される通り道の管(甲状舌管)の部分が消失せずにできた袋状の腫瘤(嚢胞)であるので、「甲状舌管嚢胞」とも呼ばれます。

正中頸嚢胞は、小児期に診断されることもあれば、成人になってから診断されることもあります。感染症やがんを生じることもあるため、手術が行われます。

原因

胎児期に生じる異常により発症します。胎児期の甲状腺は舌の根元にありますが、成長するにつれて本来の位置である首の正中部に移動します。通常、甲状腺の通り道の管(甲状舌管)は出生までに閉鎖しますが、甲状舌管が出生後も残存することで正中頸嚢胞が発症します。

正中頸嚢胞は、基本的にはほかの臓器障害を合併することはなく、単独の首の腫瘤として発症します。

症状

首の正中部に袋状の腫瘤(嚢胞)を認めます。痛みを伴ったり、内容物が皮膚の外に漏れ出てきたりすることもあります。

また、病変部位に感染症が生じた場合には、腫れが大きくなったり、赤みを帯びたりすることがあります。

まれに、がんが発生することもあります。この場合、嚢胞は徐々に大きくなったり、硬くなることが多いです。

検査・診断

レントゲン検査、超音波検査、CT検査、MRI検査、甲状腺シンチグラフィーなどの画像検査を行い、首に嚢胞があることを確認します。

感染症が生じた場合には、原因菌を特定するために、を用いた培養検査や薬剤感受性検査などを行うことがあります。がんの発生が懸念される場合には、手術や注射器の吸引などで採取した細胞の一部を用いて病理検査を行うこともあります。

治療

正中頸嚢胞が自然に消失することは期待できず、放置すると、感染症やがんを生じることもあるため、手術により摘出します。

手術では、舌の根元まで広い範囲を切除します。わずかな組織の取り残しで再発するため、全ての組織を摘出する必要があります。

感染症が生じた場合には、解熱鎮痛剤や抗生物質などによる治療が行われます。

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